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日本城 根来桜(ねごろざくら) 山廃本醸造 720ml

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《あまりの旨さに衝撃が!蔵で出会った極旨なお酒!根来桜!》2019年5月。「吉村秀雄商店」で開催された公開呑み切り。公開呑み切りとは蔵を開放して、蔵のお酒をきき酒する真剣勝負の場です。試飲会やお酒の会とは趣旨が異なります。きき酒は試飲とは違って、お酒の欠点を探す減点法。試飲とは違い、ハッキリ言って楽しくはありません。ですが、皆様により美味しいお酒を楽しく飲んで頂く為には必要な勉強の場なんです。とは言うものの、真剣だからこそ、正直疲れます…。そんなきき酒の場で、まるで砂漠のオアシスのような存在だったお酒が「根来桜(ねごろざくら)」口がリセットされるというか、癒されるというか。あまりの旨さにきき酒なのに本気で飲んでしまいそうになりました!隣にお燗ブースまであったので。(もちろん思い止まりましたが。)私個人としては全ての出展酒の中で最も気に入ったお酒が「根来桜」です!なので、他のお酒とはどうしても思い入れが違います!この後で長い話を致しますので、先にサラッとお酒の説明をさせて頂きます。口に含むとフワッとバナナ系の心地良い香り。酸が効いた軽快に飲めるお酒でありながら、程良い熟成感も伴って飲み応えバツグン!とにかく飲み進む。お燗で飲んだら止まらなくなるお酒です。当然アテは選びません!そもそも合わないアテってあるんですかねぇ。お料理はもちろん、会話もアテになります!じっくり杯を進めながら語り合うのに最適なお酒です。私が蔵でベタ惚れしたお酒、「根来桜」グッと来る、旨さと軽快さが魅力のお酒がお好きな方、「根来桜」を是非お試し下さい!(ここから先は誕生秘話です。かなり長いですが、興味のある方は是非ご覧下さい。)何と「根来桜」の誕生には「佐野屋」も関わっていた!実は「根来桜」に弊社はとてもご縁がありまして。後から知ったことなんですが、「根来桜」の誕生に弊社は間接的に関わっていたんです。以前、弊社で販売していた、私にとって花垣好きになるきっかけを作ってくれた思い出のお酒。(何で「花垣」出て来るの?いえいえ、必ず後で繋がりますので。)私が今でも「花垣」で一番大好きなお酒、山廃本醸造の通称「お祖父さん」正式名称は「昔、お祖父さんの飲んだ酒」初めて「花垣の南部酒造場」を訪問し、造りに入らせて頂いた際、賄いで出たお酒です。「お祖父さん」は飲食店さんを中心に、花垣ファンに絶大な人気がありました。というのも、「花垣」では飲食店さんや酒販店を造りの体験ということで受け入れているのですが、賄いで決まって出されるお酒が「お祖父さん」殆どの参加者が蔵で「お祖父さん」の美味しさを知り、自分のお店で取り扱うという、「花垣」の隠れた名品!と、ここまでは良かったのですが、実はこのお酒には致命的な欠点が…。手間が掛かるお酒なのに、価格を安く設定し過ぎた…。細々と売れている分には大きな影響は無かったのですが、売れれば売れる程採算が取れない。そこで、止む無く終売を決意されたのです。私にとっての思い出のお酒「お祖父さん」「お祖父さん」に最後、もう一花咲かせようと、最後の大アピールを行いました。定番で入れて下さっていた飲食店には自ら電話を掛け、ケース買いを打診。そのうちの1軒が大阪市北区北新地で女性店主が営む、とある日本酒バー。こちらの店主さんは毎年冬に数日お店を閉めて、造りに入られる程の大の花垣ファン。「お祖父さん」の終売を伝えると、最後に大人買いして下さいました。その時の「お祖父さん」をたまたまお店で飲んだのが「車坂」の営業さん。(はい、ここでようやく繋がりました。)あまりの美味しさに蔵に戻り、うちでも「お祖父さん」みたいなお酒造って欲しいと杜氏の藤田さんにお願い。こうして誕生したのが「根来桜」です。《「吉村秀雄商店」にとっては「根来桜」は新商品であり復刻商品!》今回ご紹介している「根来桜」は新商品ではありますが、実は「根来桜」は「吉村秀雄商店」の創業当初に付けられたブランド名。つまり「吉村秀雄商店」にとっては復刻版とも言えます。初代蔵元の吉村秀雄さんの「いつの時代においても誰もがお酒を飲み、幸せを感じられるように」という創業時の思いが今も引き継がれている証、それが「根来桜」です。《山廃は純米よりアル添(醸造アルコールの添加)の方が美味しい!?》最後に製法に付いてのご説明と私なりの解釈をお伝え致します。こちらのお酒はお酒の元となる酒母を山廃(やまはい)という製法を用いて造られています。現在の日本酒の製法の主流は速醸(そくじょう)で、醸造用の乳酸を添加して造られています。山廃は速醸に対し、空気中の乳酸菌を取り込んで造られています。多くの山廃造りのお酒は濃醇な物が多く、「山廃=濃いお酒」というイメージが強いです。ですが、山廃の真の魅力は濃さだけでは語れません。山廃の魅力は芯の強さ・味わいの豊かさ・そしてキレの良さです。味わいが濃いだけではタダの重いお酒です。キレがあることによって、全体のバランスが良くなり、飲み進みます。山廃が食中酒として幅広いお料理に合わせやすいのは、味わいのバランスの良さにあります。 この味わいとキレを絶妙なバランスに整えているのが「アル添」だと私はこれまでの経験で感じています。味に膨らみを持たせ、キレも出す。こんな魔法のようなことが出来てしまうのがアル添の魅力の1つ。特に山廃はアル添との相性が良いように私は感じています。(もちろん、純米酒にも美味しいお酒は幾らでもあります。あくまでも手法の1つです。)山廃って何?純米って何?アル添って何?そういう方も多くいらっしゃるかと思います。もちろん、分からなくてもお酒は美味しく楽しく飲めます。ですが、山廃が大好きな藤田杜氏が造られたお酒の紹介ページということで、蛇足覚悟で敢えて書いてみました。山廃の魅力を少しでも感じて頂ければ幸いです。